* ん……。 気が付いた時、あたしの目の前には一面の木の天井があった。 ここは……。 「気が付いた?」 「………ん、」 最後に聞いた声がする。 うっすら覚えているのは、素早いボール。流れる玉のような汗。 あたしに伸ばされた、長い腕。誰かがあたしの名前を呼んで…。 「熱中症だって。辛かったなら言えばよかったのに」 「熱、中症……?」