汗が額を流れていく。 真夏でもないのに、凄く、暑い。 「これで決める」 オミ先輩の表情が、一瞬だけキリッとしたものに変わった。 日差しのせいか、いつもより凛々しく見える。 ……っ!! 尖ったような勢いあるサーブが、あたしたちに向かってきた。 速い…! だけど、これを失敗したら、あたしたちは負ける。その時点で、今までの総也の頑張りは水の泡になる。 あたしがとらなくちゃ、とらなくちゃいけない。 グッと砂浜に構える足に力を込めた。 日差しが、強い。