え………。 「な、何してんの?棗」 少しずつ笑いがこみ上げてきたらしい総也が口元を押さえてそこに立つ梶先輩に尋ねる。 「丁度バットがあったから、何か打ってみたくなって」 「は…?ちょ、お前なぁ…」 それから総也は、糸が切れたように大笑いし始めた。 「ぎゃはははははは」 総也の大きな笑い声が、会場の空気を少しだけ丸くする。 周りの生徒たちも、彼につられて「会長ってあんなキャラだっけ?」なんて話しながら控え気味に笑う。 もしかして……。 助けて、くれた…?