それから順調に勝ち進んでいったものの、やっぱりあたしの出る幕はなくて。



そんなあたしと総也のペアに転機が訪れたのは、この試合だった。












《これより2年1組対3年4組の試合を開始します》





「オミ、手加減しねーからな!」


「あはは。それは困るな。お手柔らかに頼むよ」




準決勝を前にした4回戦。



役員のクラスとは、どこかで確実にぶつかることはわかっていたけど、その最初がオミ先輩のクラスだとは思ってもいなかった。





「紗雪ちゃん」


「?」


「ああ見えてもオミは元バレー部だから。他の部員に比べてもかなり手ごわいと思うけど…」


「も、元バレー部…!?」




そ、それってめちゃくちゃ強いじゃない!




「出来るだけ今まで通り俺が決めるし、オミのボールも俺がとるから。安心して任せてもらっていいよ」




総也がいつもみたいに、にっこり笑う。



だけどこれまでの試合を全て彼1人で担ってくれていたせいか、少しばかり額に汗がにじんで見える。



やっぱり、まだ少し疲れてるのかな…。前の試合とそれほど時間も経ってないから。