でもなぁ…。
あたしまだ、総也のこと苦手意識あるし…。
もちろん、初対面よりは慣れたけど。
「あたし、運動神経悪いし…。違う人がいいと思う」
「紗雪」
あたしが俯いてそう言うと、光がそっとあたしの肩に手をそえた。
「…?」
「棗やオミは学年が違うから傍にいてあげれないし、光は司会をやらなきゃだから一緒にはいられない。稟は役員だから自分のクラスで選抜されるだろうし、ビーチバレーの間、紗雪を守ってあげれる人がいないの!だから総也と組んで?」
そして光は耳元でそう言って、とびきりの笑顔を見せてきた。
か、可愛い……。
「う、うん」
「はい、決まりぃ♪」
結局、光に上手い具合にのせられて、あたしは総也とペアを組んでクラス代表としてビーチバレー大会に出場することになった。
