なっ…!?



あたしは慌てて稟に近寄って、「大丈夫!?」問うた。




もちろん、腰をさすることはできないから、数歩離れて。





「………」



顔を上げた稟の様子は、明らかに険しかった。





「……ブラック、飲めないの?」



「………」



「何で買ったの…」



「……別に」




少しだけ顔を赤らめて、すぐに砂浜に視線を落とす稟。



多分、相当恥ずかしかったんだと思う。




「あ、飴ならあるけど…。いちごミルクだから、好きじゃなかった?口直しする?」



「………」



稟は黙って手のひらを出してきた。



これは“欲しい”って意味なんだよね…?