あたしたちが振り返ると、そこに立っていたのは1人の女子生徒と顔色の悪いもう1人の女子生徒だった。




「どうしたの?」



「あ、はい。私、1年の堀田といいます。友達が急に気持ちが悪いって言い出して…。ロッジで休ませていたんですけど、横になりたいそうなんです。お力添願えませんか…?」




きっと彼女の言っているものは、布団のことだろう。



そういう準備品も管理しているのは全部校正会だから、直々にここに願い出るしかなかったんだと思う。





「あー…。わかった。すぐに準備するよ」




オミ先輩は出しかけていた財布をカバンに戻して、代わりに準備品入れのロッカーの鍵を取り出した。



それを見ていたあたしは、オミ先輩にジュースの件を申し出た。





「オミ先輩。よかったら梶先輩の飲み物、あたしが買ってきます」



「え?本当?でも、悪いよ」



「大丈夫です。さっきここに来る途中に自動販売機見ましたし」



「そう…?」



あたしは申し訳なさそうにもう一度財布を取り出す先輩からお金を預かり、テントから出た。


光が「どこ行くのぉー?」なんて叫んでたけど、後で説明すればいいよね。