「ホント。
風華はこんなに悩んでいるのに、自分はさっさと次作って」
それに対して、彩菜は頷きながら言う。
「しかも、由梨だよ?
ありえない」
呆れたように、吐き捨てる。
当人であるあたしをほっといて、2人で勇人くんのことを話している。
本当は、今日この話しをするつもりはなかった。
この話しをすれば、みんなに気を遣わせるのは分かっていたから。
だけど2人は、気を遣うどころか言いたい放題したいらしい。
あたしも、この方がいいけど。
「ところで、彩菜は最近、勇人くんと逢ったり、連絡取ったりしてる?」
紗弓が彩菜に聞いた言葉に、ドキッとした。