この先、長く一緒にいることを夢見ていた。
何が悪いのか、何が原因なのか分からないまま過ごしているから、こんなにも未練があるんだ。
彩菜の言った通り、逢いたい。
ただ、逢いたいだけなんだ。
でも、そんなことを本人には言えない。
自分から姿を消しておいて、逢いたいから逢おうなんて、都合のいいことは言えない。
だけど願わくは、もう1度逢いたい。
声が聴きたい。
彼の温もりを感じたい。
ほんの少しでもいいから。
そんな淡い願いを、未だ胸に抱いている。
「いい度胸しているよねー」
居酒屋で3人共飲んでいた時に、急に紗弓が言った。