「あたしの、気持ち?」
「そう。俺はこれで、はい、さようならは嫌だから」
そう言って、横に座るあたしの手を握って、真剣な目をした。
「俺は、誰よりも風華が好きです。
今度こそ、手放さない。
だからもう1度、付き合って下さい」
頭を下げてまで言われた。
その姿からは、真剣さが見える。
これが、最後かもしれない。
ここを逃してしまうと、2度と逢えないだろうし、言ってはもらえないと思う。
勇人くんは、両親のために付き合った。
あの子は、あたしを傷つけるために付き合った。
利用したのは、お互い様になる。


