あくまで噂なんだと思っていた。

本人から聞いたことはなかったし、あたしは受けたことがないから。




「あるよ。なんか、自分のわがままを通すのは当然だと思っているみたい。
男より女が上で見ているから」



「そうなんだ……」



そのため、キツいし偉そうに見えるんだ。

あたしと話している時は、そうは思わなかった。

けれど、それも作っていたのだろう。




「そうじゃなくて!
由梨のことなんて、今はどうでもいいんだよ。
重要なのは、風華の気持ちっ」




怒るように、語尾を強めて言った。