「え?それだけ?」 あたしは、それに拍子抜けした。 「それだけで十分。 逢う方法なんて、いくらでもあるよ。 共通の友達とかいるだろう?」 そう言われて、ふと彩菜が浮かんだ。 今でも、連絡先を知っているのだろうか。 そんなことは、聞いていないから分からない。 「逢いたいなら逢って、自分の気持ちを素直にぶつける。 彼だって、何か話したいことがあるんだろう?」 その言葉に驚いて、藤井くんを見る。