ちょっと細かいミスはしてしまったけど、大きなミスはなかったため、 残業はしなくても良かった。 青山さんにも心配されたけど、何もないと言い切った。 青山さんは、何も気付いていないみたいだから、余計なこと言う必要はない。 でも、藤井くんは気付いているし、何より見られている。 逃げる訳にはいかなかった。 「藤井くん」 真剣にパソコンと向き合っている藤井くんに、そっと声をかけた。 「あ、待って。 もう少しで終わるから」 約束しているから、すぐに気付いてくれた。