「興味あるじゃないですか。
社内でモテる男の恋愛って」




幹事の社員が、顔を乗り出して言う。




「そうか？
まぁ、いいけどさ」



「で、結局どうなの？
ここにいるの？」




痺れを切らしたのか、沙希さんが口を出した。




「え、沙希まで興味津々か？」



「当たり前じゃない」




即答に苦笑いする青山さんに、態勢を変えない沙希さん。


そんな２人は、見ている分には面白いと思った。


だけど、笑っている場合ではなかったんだ。




「こんな大勢の中で言ったら困ると思うけど、
俺が好きなのは、朝井さんだよ」