「違うよー。
恋人として付き合ってってこと」




一瞬、何を言われたのか分からなかった。


藤井くんの言葉を、頭の中で何度も繰り返した。



そのうち、何を言われたのか理解したあたしは、驚きすぎて何も言えない。

声が出ない。



酔っているのかとも思ってしまう。


けど、今日はお互い一滴も飲んでいない。


だから、本気だとは思う。


冗談でこんなことを言う人ではないから。



でも、なぜあたしなのか。


同じ会社でも、女性はたくさんいる。


他にイイ人はいると思う。




「聞いている?」