「朝井さん?
どうしたの?」
黙り込んだあたしに、藤井くんが心配そうに聞く。
それに対して、あたしは首を振る。
彼女ばかりを恨んでも仕方ない。
少なからず、あたしにも原因があったんだと思う。
原因がないと、あたしを捨てて彼女のとこへ行かない。
どこかがダメだったんだ。
だけど、それなら言って欲しかった。
そしたら、直す努力もした。
直してもダメなら、引き止めずに諦めたのに。
素直にサヨナラしたのに。
結局、あたしは弱い人間だから、誰かを恨まないと自分が保てない。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…