夜、リビングには風呂上がりの光輝と、夏子、俺だけがいた。 突然、光輝が口を開いた。 「隼人兄ちゃんさ、人が作ったもので、何が一番すごいと思う?」 「何、突然」 「大塚先生がね、僕だけに宿題出したんだ」 「先生のイジメか?」 宿題なんて、生徒の時間を奪うものだと思っていた。 「違うよ。先生は良い人だよ」 最近、光輝は大塚先生とかいう教師の話をよくする。 「ねぇ、2人ともどう思う」 光輝はさらに、夏子も巻き添えにして、聞いてきた。