王子が立ち去るなり香苗があたしに駆け寄ってきた
「どういうこともこういうことも」
あたしだって訳わかんないよ
いきなりあたしにたくさんのことが起きたせいであたしの頭は混乱してるんだもん
「なんで王子が桃果のとこにっ!?」
興奮状態の香苗に内心あたしはあきれてた
……香苗が思ってるような関係じゃないからね、あたし達
「なにがあったの!?」
「……なにって、」
チラリと周りを見るとあたしを見つめる女の子達の冷たい視線
いやいや違うから!
ここじゃ話せないよ〜
よし、仕方ない
「ちょ、っちょっと来て」
「えっ?なに、桃果?」
びっくりしている香苗の腕を引っ張って廊下に出た

