「藍斗くん、あたしね…」 声を発した瞬間、綺麗な瞳から涙が溢れて白い頬を伝っていく 「うん?」 「いじめ、られてたの…」 「……うん」 「ツラかった。ツラかったよぉ…」 力を込めて桃果を抱きしめる 俺が桃果を追い詰めた 現実が俺を押しつぶす 「…ごめん、ごめんな…」 「…っう…く…うーっ…」 いつだって俺に敵はいなかった 運動も学力も容姿さえ、俺に勝る人も優れた人もいなかったから だけど俺はどんなときも無力じゃないか 大切な女1人守れないんだから