「きゃぁー!紅美さん来てるって!!」 「きっと王子も一緒よ〜!!」 廊下の女の子たちの声が騒がしい こんなに近いのだから耳に入っているはずだった 理解しているはずだった それなのにー… 「大丈夫か、三山」 「………あはは、大丈夫」 「引き吊ってるけど」 「………」 睨んでみても今のあたしには迫力がない 体が動いてくれない