「ああ、今日はだめだ」
「えー?なんでぇ?」
なんでもくそもねぇよ
女を家にあげたらろくなことがねぇ
お前らのせいで俺が引っ越ししなきゃならなくなってんだろ
思っていることをすべて飲み込んで笑顔を作った
「今度、ね」
「うん…」
顔を赤らめる女
今度なんて来ない
こいつとは今日でさよならだ
「じゃあ、あたしの家に来て」
「あぁ」
俺が特定の女を作らないのは、みんなに平等の権利をあげるため
それはただのごまかし
本当はいつだって、過去にとらわれている弱い自分を隠してる
本当は捜してた
現れてくれると信じてた
こんな自分を変えてくれる人――…

