――今から4年程前、N空港にて。 『・・・じゃあ、もう行くわ。』 小学生らしき男の子はそう言い、重たそうなキャリーバックに手をかけた。 『・・・。』 『ばーか、んな顔すんなって。別れる時ぐらい笑っ...』 ぎゅっ――。 男の子の傍にいた女の子は男の子に抱きついた。 頬を赤らめながら。