耳に切ない声で


 「栞」


 と呟かれる。


 
 私を見つめる目は鋭いのに
 どうして手はこんなに暖かいの?


 ビクビクしている私を見て
 拓也が微笑んだ。


 この笑顔はやっぱり変わらない。



 小さい頃は拓也が
 好きだったのに....