曲がり角を曲がれば…


『よっしゃー!今日で学校おわりー!明日から春休みだぁーっ』




そうこうしているうちに3学期は、終わってしまった。黒羽との恋も順調だった。


『今日は、みんなでご飯食べにいこぉ!今日ご飯いけるひとぉ??』


『俺いけるぅ』

『俺も俺も』

『バイトまでならOK』


愛香の話にみんながのった。もちろん奏恵も黒羽も参加することになった。
みんなは、終業式がおわると、街中にあるバイキングやにむかった。奏恵は、愛香達と黒羽とクラスの男子、若宮大雅(わかみやたいが)と早乙女彰(さおとめあきら)と一緒にいった。

愛香達は前にいて、黒羽は男子達といた。奏恵は、1人で少しはなれて歩いた。
黒羽がなんども『うかない顔してどうしたんだ?しんどいのか?いやなのか?』と私を心配して、気をつかってくれていた。別になんにもなかった奏恵は、『なんにもない』
この一言だけだった。


商店街を通ってむかった。

『これ、かわいい。』

『こっちも!』

愛香達は、商店街にあるアクセサリーショップにはいっていった。男子達は、アクセサリーなんかに興味など全くなかったので、先にバイキングにむかった。


愛香は、真っ先に指輪の所にむかった。愛香は、1段目のおくにおいてあるシルバーの指輪を手にとってはめた。愛香は、手を広げて目の近くまでよせた。

『愛香は、その指輪がほしいの?』

奏恵は、きいた。

『うん。すごく欲しい。』

『じゃあ、私が愛香のために買う!いつも仲良くしてくれているお礼!』

『いいの…。ありがとっ』

『なんで?』

『私ね…』

愛香にとってこの指輪は、大切な宝物だった。


この指輪はね、私のアルバムみたいなものかなぁ…。これみると昔を思い出すの。私のお母さんが高校祝いにこの指輪を買ってくれたの。毎日大切につけてたの。でもね…夏休みにあった、市のお祭りのときに落としてどっかにいっちゃった。必死で探したんだけど、あんな広い場所だったからみつかんなくて…。そして次の日にお母さんは、交通事故にあって死んだ…。きっと、この指輪を私が落としたから…。大事に自分の部屋においとけばよかったのに…。たかだか900円だから買おっかなぁ…なんて思ったんだけど、やっぱりお母さんの指輪がよくて…

愛香は、すごくかなしそうな顔だった。奏恵は、父親がいないけど離婚していないだけ。死んだわけじゃない。だから、親が死んだ気持ちなんてよくわからなかった。


『レジでお金払ってる人みてみてぇ』

『うっわぁ!カッコいい!』


奏恵達の後ろにいたひとたちが騒ぎだした。奏恵もレジのほうをみた。レジには、なんと菊地がお金を払っていたのだ。