教室のドアを開けたのは、小林だった。
『奏恵ちゃん…なんでそこで泣いてるの…??』
『あっ…』
奏恵は、あわてて立ち、教室からでていこうとした。
『まって…』
小林は、奏恵を教室のドアの所でとめた。
『私って最低だよね…?自分から別れるっていったのに…まだ好きだなんて…』
『はぁ?お前ら別れたのかよ。あんなににあってたのに?!なんでわかれたんだよ!』
『いわない…』
『なんでだよ!?』
『私だって別れたくなかったわよ!でも、別れないといけなかったの…』
奏恵は、泣きながらむきになった。
『いみわかんねぇよ…。泣くなよ…』
小林は、奏恵をだきしめた。
『えっ…』
『泣き顔みたら、また好きになっちゃうだろ?!オレさぁ、お前のこと好きだったんだよ…。でも、菊地とお似合いだったから…あきらめたのに…』
奏恵は、小林から離れた。
『そういうのやめて…』
『オレと付き合ってくんない?』
『えっ?私、小林くんのことあんま知らないから…ごめんなさい…』
奏恵は、教室からでた。すると小林は、ろうかから
『なら1日だけでもいい。来週の日曜日の11時、田崎駅で待ち合わせな!』
といってきた。奏恵は、そのまま家にかえった。
小林は、菊地の席に座った。奏恵がなにを書いたのかをみにいった。菊地の机には、
【大っ嫌い。すごくめざわりなの。きもち悪いの…。だからわかれます。】
と横にずらっとかいていた。この文章は、わかれをつげた日の奏恵が菊地に最後に言った言葉だった。


