それは雨が降っている日だった。

少し薄暗い公園に
次々と倒れている屍。



人通りが少ないこの公園で
複数の男たちが震えながら
叫んでいた。


その声は怯えているような
感じだった。


「おぃ・・・こいつ化け物かよ!」


「まさかだろ!?相手は1人だぜ?なんでこんなに・・・」


「くそ!!みんなでかかれー!!」


ばきっ!

がっ!!

ごっ!!

「「うわーーーーーー!!!!!」」


一斉に男たちが殴りに行ったのに
やられていくのは男たちだった。


男たちの目の前には
たった1人の美少女がいた。

その少女は
身長が168㌢ぐらいで
髪の毛はヴェールがかかった
金髪だった。
そして肌は透け通るように白い。
まるで人形みたいな美少女だった。



その美少女は顔や服に
男たちの返り血を浴びて
立っていた。


やられている男たちは全員
別の学校の不良男子生徒だった。


「お前・・・いったい誰なんだよぉー!!」


ある1人の男子生徒が
震えた声で少女に尋ねた。


「私?・・・」


ずっと黙っていた少女が口を
開いたので周りは急にシンと
静まりかえった。


少女の声だけが
透き通るように聞こえる。


そして・・・


少女は名のった。


「私は聖衣(くろす)学園1年の不可八羅衣愛(ふかや らいあ)」


そう言うと少女はニコッっと笑って
また彼達を絶望へと落としていった。