「入るじゃないか」

「……」

「太ったって言ってただろう」

「いつの話ししてるの」

「そうだな」

「そんな理由で外してたんじゃないわ」

「気付いてたのか」

「当然よ」

「どうしてその時に言わなかったんだ」

「言えばやめてたの?」

 そう聞かれて言葉に詰まった。もし、真紀に浮気を責められていたら俺はどうしていたのだろう。

「全ては子供と生活のため。今更そんな話しをして何だって言うの。離婚したいならどうぞ。今の私なら子供と三人でやっていけるから」

「おい」

「あなたが私に触れなくなった時にどうしてって聞くの恐かった。どうしてかはすぐにわかったけど。あなたは何も気付いてないんでしょうね。私太ってなんかいないの。戻ってきてほしくて……頑張ってたのよ」

 頬に流れた涙を真紀は手で拭った。