個室に戻ると、秋野と森山は質問攻めにあった。

「初めてのデートは?初めてのキスは?」

「結婚を決めたのはいつだ?」

 大林が質問した。

「自分が風邪をひいて寝込んだときです」秋野が答える。

「おかゆとか作ってもらって家庭的なところを見たからだろう」

「いいえ、彼女料理できないから」

「あはは」森山は笑っている。

「じゃあ、何でだ?」

「ずっと添い寝してくれた優しさと彼女の匂いにです」

「怪しい香水でもつけてたんじゃないのか?」

 大林がそう言うと、一同が笑いに包まれた。

 風邪か……。

 今夜はやけに昔を思い出させる。