僕の名前は『神田 誠』、予備校に通う受験生だ。


通学には毎日電車を利用している。


僕の通う予備校は、この電車で三つ目の駅、その駅前にあるのだ。


それほど都会でも無いので、この時間の電車の席はわりと空いている。


僕はいつも同じ席に座っている。


二両目の左側、ドアのすぐ後ろの席が僕の指定席だ。


ところで……


『受験生のくせに』なんて思われるかもしれないが……今、僕にはちょっと気になっている女の子がいる。


まだ話しもした事は無いけれど、毎日電車で見かける女の子。



彼女もまた、いつも同じ席に座っている。


電車の右側、僕の正面に位置する席だ。


肩まで伸ばしたサラサラの黒髪……
パッチリとした愛らしい瞳……
清楚でセンスの良いファッション……


大学生だろうか、それとも専門学校生だろうか?


彼女を見ているだけで、なんだかとても癒された気持ちになる。


僕は、彼女に恋をしてしまったのだろうか?



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