佐伯くんって、ほんとに優しいなぁ。
もうだいすきだよ。



バスケ教えてくれたし、一緒に帰ってくれたし。
もう幸せすぎる。



あのまま時間が止まればいいのにって、思ってた。



「ただいま」



「あら、おかえりなさい。遅かったわね」



「ああ、うん。ちょっと学校に残ってたから」



「そう。あんまり遅くなるんじゃないわよ」



「はーい」



あたしは自分の部屋へ行くと、ベッドに寝そべった。
そしてケータイを出すと、電話帳から佐伯くんの名前を表示した。



……はじめてだけど、メールしてみようかな。
ううっ……なんか緊張する。



なんていうか、ドキドキする。