きっと、出場できただけでもよかったかもしれない。 みんなも悔しかったかもしれないけど、そこまで思い詰めてる感じじゃなかったから。 「……しい、こっち座れよ」 「えっ??でも……」 「いいから隣り、座れよ。……ココはおまえの特等席だろ??」 「うん。ありがとう」 会場を出るバスの中で、佐伯くんの隣りに座った。 すると佐伯くんは、あたしの右手を、ぎゅっと握りしめてきた。 「佐伯くん??」 佐伯くん顔を横目で見る。