そしてふと、前に奈津美ちゃんに言われた言葉を思い出した。



「あっ!!ねぇ、佐伯くん」



「……なに」



「あのさ、もしよかったらだけど……途中まで一緒に帰ってくれない??」



「…………」



「あのっ……夜道、少し怖くて……真っ暗だし」



一か八か、あたしは佐伯くんに一緒に帰ろうと誘ってみた。
うまくいくかはわからないけど……。



「……いいよ」



「えっ??」



「……どっちみち、帰る方向同じだし」



「えっ!?ほんとにっ!?」



ウソッ……。
信じられない。だけど嬉しい。



「……イヤならべつにいいけど」



「いやいや、全然イヤじゃない!!むしろお願いします!!」