「……佐伯くん」 佐伯くんの顔をふと見ると、とても悔しそうな顔をしていた。 前半で思うようにプレーできなかったのが、悔しかったのかもしれない。 相手のペースに呑まれてしまい、思うように力が発揮できていないのだと、すぐにわかった。 佐伯くんに声をかけてあげたいけど、なんて声をかけたらいいのかわからず、あたしは遠目から見ているしかなかった。 上原くんと佐伯くんがなにか話をしているけど、話の内容まではわからない。