佐伯くんは必ず勝ってくれる。 そう信じてる。 「……そろそろ時間だな」 「うん。そうだね」 「……よし、行ってくる」 「うん。行ってらっしゃい」 佐伯くんは、ジャージを脱ぎコートへと消えて行った。 そしてコートの真ん中で、円陣を組み、気合を入れていく。 「早乙女先生……佐伯くん、大丈夫ですよね??」 「やれるだけのコトはやった。信じるしかないだろう」 「……はい」 あたしはただただ、見守ることしかできなかった。