「……いよいよ決勝か。アイツらと、戦うときが来たんだな」 「うん。そうだね。……ガンバろうね」 「………ああ。ココまで来たんだ。負けて帰るわけには、いかねぇ。必ず、優勝してみせるからな、しい」 佐伯くんはそう言ってあたしの頭を撫でると、ぎゅっと力いっぱい抱き寄せてくれた。 ……この温もりを、あたしはしっかりと噛み締めていた。 ついに、夢の舞台への一歩が幕を開けようとしていた。 ………これから、どうなるのか、まったく予測がつかない。