「えっ??あっ、はい……」 佐伯くんに水を渡す。 「サンキュー……」 佐伯くんは水を一口飲んでから、あたしに手渡した。 そしてあたしにこう言った。 「ーーー必ず、優勝する。見てろ」 そしてその後すぐ、試合がスタートした。 あたしは佐伯くんのコトバを信じて、一生懸命応援した。 ボールを放つ音、シューズの擦れる音。 そしてパスを出す時の掛け声や、ゴールに入った時のみんなの歓声。 ーーー聞いているだけで、とても心地よい音色を刻んでいるみたいだった。