その姿は、嬉しそうでもあり、少し複雑そうな顔をしていた。 「……しい」 「あっ、佐伯くん!!おめでとっ」 「……ありがとう」 「……なに見てたんだ??」 「……あの人、試合中にずっと佐伯くんのコト、見てたよ。なんか、笑ってたけど」 「……そうか。まあアイツのコトは、気にするな」 あたしの頭を撫でると、そう言ってエントリーシートに書きに行った。 あたしはそんな佐伯くんの後ろ姿を、ただ見つめるしかなかった……。