小さな声で、彼はそうつぶやいてあたしにこう言った。 「彼女ちゃん、佐伯と戦えるの、楽しみにしてるよ??せいぜいガンバれよって伝えといて」 「…………」 そして怪しく笑い、そう言い残して、あたしの前から立ち去った。 ーーー佐伯くん、絶対、佐伯くんは負けないよね?? 「……しい、どうした??」 立ち止まっていたあたしに気づいて、佐伯くんが声をかけてきた。 「……佐伯くん、絶対、佐伯くんは負けないよね??」 「……あたりまえだろ」