「……アレ、佐伯……??」 そう思っていたら、声をかけられた。 あたしたちは、その声で振り返った。 「…………」 佐伯くんはなにも言わずに、あたしの手を、ぎゅっと握った。 力が込められて、少しだけ強かった。 「……久しぶりだな。予選大会の時、以来だな??」 「……なんの用だ」 「県大会、オレらの高校も出場するから。よろしくな??」 「…………」 佐伯くんはなにも言わなかった。