ぎゅっ‼ あたしは佐伯くんに思いっきり抱きついた。 「おいっ……‼こんなトコで……人前だぞ」 「もうちょっとだけ‼」 あたしは抱きしめる強さをぎゅっと強める。 そしたら、抱きしめ返してくれた。 「……おまえは本当、バカだな」 「いいじゃん‼こうしたかったのぉ」 「……ったく」 佐伯くんは呆れた顔をしながらも、その目は笑っていた。 なんかちょっと、嬉しそうだった。 だからつい、あたしまで嬉しくなってしまう。