「さーえーきーくーん!!おはよーう!!」



次の日の朝、学校の校門で佐伯くんにバッタリ会った。



「……うるさい。朝から叫ばないでくれる」



佐伯くんはいつになく不機嫌なのか、低い声でそう言った。



「どうしたの??なんか怒ってる??」



「……べつに怒ってない。いつも通りだよ」



「だって今日の佐伯くん、なんか怖いんだもん」



「……そんなに怖いなら近寄らなきゃいいだろ」



「でもでもっ、どんな佐伯くんでもすきだよ??」



「……あっそ」



佐伯くんは制服のポケットに手を入れたまま、昇降口へと歩いていってしまった。



「……今日の佐伯くん、なんか変だなぁ」