「さっさと離れてくれない?おじさま?」


とても小学生とは思えない艶っぽい声を出して………膝で男の腹を殴った。


「う………なんだこいつ!どこが非力なんだよ!あの方の話と違うじゃないか!!」


無言で膝でもう一度腹を殴り、男を倒した。


「その子から離れて!!」


ユリが泣きそうな顔でこちらに近寄ってきた。


「お嬢ちゃん泣きそうじゃねえか。慰めてやろうか?」


「うう………ヒック………怖かった………。」


内股気味でその場で佇んでしまったユリに私の近くにいた男がニヤつきながら近づいていく。


…………お願いだからやめてよ………


滲む視界で私が見たものは………






ユリの二倍近くの身長も男が無惨に伸びた姿だった。


「よかった!かかってくれて!!」


こんな場じゃなかったら可愛らしい笑顔。


「どうする?私と戦う?」


ユリのあまりの強さに戦意喪失した男たちはゆっくりと跪いた。





それから、警察が確保してくれて1人で危ないことをしたユリは警察のお爺様と玲央にこっぴどく叱られていた。


私は無傷ですみなんとか貞操はユリが守ってくれた。


男たちを手配したのは蟻川陽菜で計画が失敗したことに腹を立てて、裏でユリをいじめるようになった………。


警察は有力な証拠は掴んで、逮捕も刑罰も実行できる段階にあったけど理由があって泳がせたと後日話を聞いた。


-夏菜side end-