人型になった光が弾け散る。

透明な羽と白い長衣を身にまとった妖精が、そこに浮かんでいた。

残念ですが時間切れです」

「えっ?」

「もう少し時間があればよかったのですが、朝なので起きて下さい。では、これで・・・」

パチンと弾けて妖精は消えて行った。

何が何やら判らないままに、ユイは遠くをみつめた。

暗く、暗くなって行く。

そしてオレンジ色の光。

ベットの中でユイは目を覚ましていた。

それは全て夢の中の出来事。

果して、何処からが夢だったのだろうか?

ひょっとしたら今も夢なのかもしれない。

だってそこには、いるはずのない者がいるのだから・・・

(そうよ。これも夢よ)

ユイは部屋の片隅にいる者を見据えた。