「さっきの奴って?」 そう言うと聖也は顔を背けた。 「さっき、一緒に帰ってきた奴」 帰ってきた…? あぁ、一馬のことか! 「一馬は友達だから」 「友達ねぇ」 なんだか腑に落ちない返事に胸がざわつく。 「友達だよ?」 「明優はそう思ってても、相手は違うかもよ」 なんで?なんで、そんなこというの? 「そうかな?」 当たり障りない言葉を選んで答える。 すると、腕を掴まれ聖也の方に引き寄せられた。