でも、私の思いとは裏腹に私と視線を合わせようと自分もしゃがんで涙で顔にくっついた髪をゆっくりかき分けながら整えてくれた。 「明優、こっち見て?」 優しい声は、私の胸にすっと入ってくる。 ゆっくり、視線を上げると優しい表情をした聖也と目が合う。 「呆れてないの?」 「なんで、呆れるの?」 ふっと笑って、そんな返事が返ってきた。 呆れられてはないみたいだ。 「俺が好きなのは、明優だよ?」