しかし、このままこの場にいても仕方ないので、ゆっくりと足を進める。 あと、5歩で家の前というところ。 「俺、おまえのことやっぱり、わかんねぇ」 意味のわからない言葉と共に、物凄い力で引き寄せられた。 久しぶりの彼の香りに包まれて、心臓がうるさくなる。 「ちょっ!離して!」 密着した体から、聞こえるだろう自分の心臓の音が恥ずかしくて離れようとすると、その行為が聖也の気に障ったのか、今度はあり得ない力で抱きしめられた。 何…? この状況…。 混乱で、頭がついていかない。