「なんで聖也がいるの?」 心臓がうるさい。 ドクンドクンって痛いくらいに鳴り響く。 「んー?たまたま見かけたの。それで、蓮とのこと話してうちに来てもらっちゃった」 語尾に音符マークが見えるくらい弾んだ声のお姉ちゃん。 別れた後の二人の温度差は激しい。 「聖也はどこ?」 「蓮と一緒にリビングにいるよ」 大丈夫なのだろうか? 聖也は苦しくないのだろうか? まだ姿すら見えない聖也のことが途端に心配になっていく。