身代わり恋愛


聖也に後ろから抱き付くと、聖也がいつもつけてる香水の匂いがした。


シャボンのいい匂い。


この匂いをかいだだけでも、幸せな気持ちになれる。


そのまま横に倒れこんで、私は聖也の上に乗る形になった。


「はっ…。ちょっ…、明優!!」


聖也が怒ってる。


私がこんなことしたから…。


傷つく心に鍵をかけて、私はゆっくり彼に口づけした。


何度も何度も角度を変えて、浅く深く繰り返した。


「っ…」


夢中だった。


久しぶりに、聖也に触れられた喜びが大きくて。


でも…。


聖也は力一杯私を押して、自分から私を離れさせた。