……あたしは来た道を、逃げるように、駆けだした。 血の味だけだった口の中は、走っているうちに涙の味が混じっていった。 こんなに、胸が痛いのは、 こんなに、涙が止まらないのは、 ……生まれて初めての。 ほんものの、失恋のせい──…。