鈍感ガールと偽王子



壁際に追い詰められて、背中が冷たいコンクリートの壁に当たる。


トン、と顔の横の壁に椎葉くんの手が置かれた。



「今日だって、わざわざただの女友達を合コンから連れ出したりするわけ無いだろ?」



「あ、あの」



「なんとも思ってない奴を部屋に何度も上げたりしないし」



どうしよう、顔、近いんですけど…っ!



「俺は、友達にキスなんてしない」


「し、椎葉、くん」



お願いだから、少し離れてください…っ!




「美結」



苦し気に、掠れた声で名前を呼ばれて。


どうしようもなく、ドクンと強く心臓が震えた。



「美結」



きゅっと強く目をつぶった。